完璧主義を手放して再挑戦:オンライン学習で見つけた「未完成でも良い」という学び
私はかつて、オンライン学習において「完璧主義」という壁にぶつかり、幾度となく挫折を経験してきました。学習内容を完璧に理解してから次に進む、完璧な成果物を出してから人に見せるという考え方は、私の学習を停滞させ、最終的には行動そのものを止めてしまう原因となりました。しかし、ある経験をきっかけにその考え方を見直し、オンライン学習コミュニティの力を借りることで、再び学びを継続する勇気を持てたのです。
完璧主義が招いたオンライン学習の停滞
私がオンライン学習を始めたのは、プログラミングスキルを習得し、キャリアチェンジを目指すためでした。Udemyの講座やProgateの演習を始め、意気揚々と学習を進めていました。しかし、すぐに「完璧に理解しなければ」という強迫観念に囚われるようになりました。
例えば、プログラミング言語の構文を学ぶ際、一つでも理解できない部分があると、先に進むことに強い抵抗を感じました。完璧なコードを書けるようになってからでないと、小さな課題すら解き始めることができなかったのです。結果として、教材を何周も繰り返して知識だけが増えていく一方で、実際にコードを書いて何かを「作る」という実践的なフェーズになかなか移れませんでした。
「まだ十分に理解していない」「もっと良い書き方があるはずだ」といった思考が常に頭の中を巡り、私は簡単なWebサイト一つすら完成させることができませんでした。当時の私は、自分だけがこんなにも理解が遅く、前に進めないのだろうかと、深い孤独感と焦りを感じていました。誰かに相談する勇気も持てず、結局は「自分には向いていない」と学習を中断してしまうことを繰り返していました。
小さな変化のきっかけと新たな壁
そんな私に転機が訪れたのは、ある技術ブログの記事でした。そこには「未完成でも良いから、まずアウトプットすることの重要性」が説かれていました。「完成度よりも、まずは一歩踏み出すこと」という言葉は、私の心を強く揺さぶりました。
そこで私は、過去に手を出しては挫折していたポートフォリオサイトの作成に、再び挑戦することにしました。しかし、またしても「どんなデザインにするべきか」「コードはこれで本当に正しいのか」といった完璧主義的な思考が頭をよぎり、作業はすぐに停滞してしまいます。「このままではまた同じ失敗を繰り返してしまう」という強い危機感を覚えました。この状況を一人で乗り越えるのは難しいと感じ始めたのです。
オンラインコミュニティで見つけた「未完成でも良い」という安心感
私は意を決し、Twitterで見かけた同じプログラミング学習者向けのオンラインコミュニティに参加してみることにしました。最初は他の方々の投稿をROM(Read Only Member)するだけでしたが、そこで目にした光景に私は衝撃を受けました。
多くのメンバーが、「今日の進捗」として、エラー画面のスクリーンショットや、まだ未完成なコードの一部を気軽に共有していたのです。「この部分が分かりません」「こんなエラーが出ました」といった投稿に対し、他のメンバーは優しく、具体的なアドバイスや励ましのコメントを寄せ合っていました。
私は「こんな状態で共有しても良いのか」という驚きとともに、「自分もこんな風に気軽に相談して良いのだ」という安心感を得ることができました。これまでの「完璧でなければならない」という思い込みが、少しずつ揺らぎ始めた瞬間でした。
思い切って、私自身も初めて「〇〇の機能実装でエラーが出てしまいました」と、未完成なコードの一部を添えて投稿してみました。すると、驚くほど早く、数名のメンバーから「そのエラーなら〇〇を試してみてください」「私も同じ経験があります、一緒に考えましょう」といった温かい返信が届いたのです。具体的な解決策だけでなく、「大丈夫、誰でも通る道です」という励ましの言葉は、私の心を深く癒し、孤独感を一気に和らげてくれました。
この経験を通じて、私は「未完成でも良いから、まずやってみる。そして困ったら誰かに頼る」という新たな学習スタイルを確立することができました。コミュニティ内での小さな進捗報告会に参加したり、他のメンバーとのペアプログラミングを試したりするうちに、完璧主義の呪縛から解放され、行動量が飛躍的に増えていきました。
失敗から学び、着実に前進する力
オンラインコミュニティで得た最も大きな学びは、「失敗は恥ずかしいことではなく、学びの機会である」という視点でした。未完成なアウトプットを共有することで得られるフィードバックは、一人で抱え込んでいるだけでは決して得られない貴重なものでした。
私は、小さな失敗やつまずきを恐れず、むしろそれを共有することで、より深く、より早く学習を進められることを実感しました。完璧を目指すのではなく、まずは「動くものを作る」ことに集中し、その後で改善を重ねていくアプローチが、私には合っていました。
この変化は、私の学習効率を上げるだけでなく、精神的な負担も大きく軽減してくれました。オンライン学習特有の孤独感も、コミュニティの仲間たちとの交流を通じて解消され、モチベーションを高く維持できるようになりました。
再び挑戦するあなたへ
もしあなたが過去に完璧主義や孤独感からオンライン学習で挫折し、再挑戦に不安を感じているのであれば、私からお伝えしたいことがあります。それは、「完璧を目指さなくて良い」ということです。小さな一歩でも、未完成な状態でも、まずは行動してみること。そして、もし壁にぶつかったら、一人で抱え込まず、オンラインコミュニティのような「誰かと繋がれる場所」を探してみてください。
私がそうであったように、あなたの不安に寄り添い、共に学び、励まし合える仲間はきっと見つかるはずです。失敗を恐れず、小さな成功を積み重ねる喜びを、ぜひあなたにも体験していただきたいと思います。一歩踏み出す勇気が、あなたの学習を大きく前進させることでしょう。